整膚講座#1:整膚とは?
整膚・リンパドレナージュの
小さなサロン ” be glad* ”の 山本です🌿
強烈な寒波が、日本列島をすっぽりと覆っているようですが、お住まいに地域では大きなトラブルなどありませんか?
テレビに流れる首都圏の映像は、どれも真っ白で、行き交う人たちも足元を見ながら、そーっと歩いている様子ばかりです。
私の住む愛知県三河地方は温暖な気候で、名古屋に雪が降っても、こちらでは降らないこともあるような場所。
でも、この週末にかけては、予断を許さない天候となるらしいです。
雪に慣れていないだけに、より一層の注意が必要ですね!
サロンはというと、
冷えやむくみを訴えるお客さまが多くなりました。
急激な寒さに体が慣れず、自律神経の乱れなども考えることができますね。
この季節だからこその症状です。
ただいまサロンでは、施術と一緒に、ご自宅でできる対処の方法もお教えしております☆
無事に、この強烈な寒波を乗り切れますように☺
さて、本題の『整膚』のことです。
「ただ皮膚を引っ張るだけでしょ?」
私も講習を受けるまでは、そう思っていました(笑)
が、
入り口の間口が広く、入りやすい割には
奥がずーーーーーーーーーーっと深いのですよっ!✨
ここでは、奥深い整膚の、ほんの触りの部分をご紹介していきます。
『整膚』とは?
整膚とは、肌を優しく引っ張ることにより、体の不調を改善させ、健康へと導く手技技法です。
1992年名古屋で、徐堅先生が発見されました。
当時の東海銀行陸上部のトレーナーをされていた際、指圧・マッサージなどの治療で上手くいかなかった人に、逆に皮膚を引っ張ってみたところ、良くなっていく人があらわれたことから発見されたといわれています。
「押すと血が止まり、引っ張ると血が流れる。
流れる水はきれいである」
という発見が、整膚の原点である。(出典:『整膚論』)
皮膚をつまんで引っ張ると、血・津液(リンパ液)・気が流れます。
血行が良くなれば、体中に酸素と栄養分が行き渡り、
リンパ液も同時に流れれば、疲労のもととなる老廃物も流すことができます。
カラダの流れを正常に戻して、自らの本来の状態に改善していく技法が整膚なのです。
「整膚」とは、文字通り解釈すると「皮膚を整える」ことです。
古代中国の医学書”黄帝内経・素問”には
『すべての病は皮膚に現れる。
皮膚を治療していかなければ、大病になる』
とあります。
視覚・触覚など五感よる診察方法が中心だった、医療の進んでいない時代から、今も脈々と受け継がれている診察・診断方法です。
例えば、店頭に並ぶリンゴ。
何を基準にお求めになりますか?
皮が黒ずんで、シワシワなものを、あえて購入しようとは思わないでしょう。
皮がぱんっと張って瑞々しく、色鮮やかでツヤのあるものを買いませんか?
触ってみて、適度に重さのあるもの。
皮同様、新鮮な果肉が詰まってそうなものを選びませんか?
リンゴも人間も同様です。
美しい肌の下には、瑞々しい肉体があるのです。
その体には、脈々と流れる血流が、体中に酸素と栄養分を運ぶために存在しているからなのです。
滞ることなく流れるリンパ液は老廃物も流し、同時に免疫力を高めます。
悪い気は流れ去り、良い気が全身に満ちてきます。
肌を優しく引っ張られると、なんとも言えない心地よさも感じられ、リラックス効果を得ることも出来ます。
カラダの中の流れを改善し
自分本来のカラダにしていく技術が
「整膚」です。
整膚のしくみ
指圧・マッサージ・鍼灸などの押す・もむ・刺すという治療法は「陽圧療法」といいます。
逆に、整膚のように引っ張る治療法を「陰圧療法」といいます。
この二つの違いは何でしょうか?
マッサージは筋肉が硬直・緊張している部位に対して、手掌や手指を用いて体表を摩擦・圧迫を加えて緊張を緩め、血液やリンパの循環をよくし、新陳代謝を盛んにして、神経や筋肉の機能を促進する技法だといわれています。
しかし、受けられる方の体調や体力を考慮せず施術がなされると、逆に筋肉にダメージを与えてしまうこともあります。
合わないマッサージを受けることで、血流障害、筋肉の損傷を引き起こすことも考えられます。
マッサージを受けてから、かえって痛みが増していたり、妙な倦怠感が残った経験はありませんか?
これを一般的に、 ”揉み返し”や”揉み疲れ”ともいいます。(※好転反応とは別)
施術によっては、体調・体力だけでなく、年齢や病気の症状などを考慮しなければならないこともあります。
そこで「陰圧療法」です。
圧力を加えるのではなく、あくまでも優しく引っ張ることで、部位によっては皮膚だけではなく、その下にある皮下組織まで働きかける療法です。
血管を例に挙げます。
皮膚を優しく引っ張り上げると、その周辺に存在する血管が引き上げられ、広がります。
血液は流れ込み、皮膚を戻すことによる ポンプの作用で、血液を全身に流していきます。
(出典:「整膚美容法」)
「ホースのように、ぐっと押さえてからパッと離すと、水が流れるよ!」
とお話を受けたことがあります。
太い血管に関しては、押さえてから急に放すと、溜まっていた流れの勢いで、一時的に流れが改善することがあります。
でも毛細血管の場合は、そうとも限りません。
例えば、手の甲に指をぐっと10秒ほど、強めに押し付けてください。
すると、その場所だけ白くなりませんか?
一時的に血流を止めていたわけです。
そのあと、その場所は赤くなり血行が改善していますか?
なりませんよね。
手の甲でさえ、血流は止まるだけで、その結果良くなることはありません。
その先端の指先にある、毛細血管に至っては、もっと血流は滞ります。
細い血管に対しては、ダメージしか与えません。
その点「陰圧療法」は毛細血管に対して、大きな効果を発揮します。
小さな細い血管の先端部位ほど、この療法が大きな力を表します。
血管だけではなく、リンパ管にももちろん同様の効果を得られますよ!
血流がよくなることで、いいことがたくさんあります。
「”肩こり”とは、頭や腕を支える僧帽筋やその周辺の筋肉の持続的緊張によって、筋肉が硬くなり、局所に循環障害が起き、それによって酸素や栄養分が末端まで届かず、疲労物質が蓄積し、これが刺激や不快感となった状態だと考えられています。
首や背中が緊張するような姿勢での作業、姿勢の良くない人(猫背・前かがみ)、運動不足、精神的なストレス、なで肩、連続して長時間同じ姿勢をとること、ショルダーバッグ、冷房などが原因になります。」と、日本整形外科学会でも説明がなされています。
ここで「整膚」の登場です。
前述のとおり、整膚を受けると血流が改善されます。
血流によって、新鮮な酸素と栄養分が体の隅々まで供給されていきます。
併せて、老廃物を排出するリンパ液流れも活性化されます。
単純に血の流れが改善することで、表皮の温度は2℃程度上昇するといわれています。
ボディが温まってくると、筋肉の緊張が和らぎます。
リラックスし緊張から解放された筋肉に、酸素と栄養分が行き渡ることになります。
整膚は、血管や筋肉に作用するだけではありません。
皮膚を引っ張り上げてからゆっくり戻す動作には、筋肉を覆う筋膜をも、正常な位置に戻してゆく効果もあります。
ここでは詳しく述べませんが、整膚の大きな効果として、リラックス効果があります。
肌を優しく引っ張って元に戻すことによって、得も言われぬ気持ち良さがを感じることができるのです。
原因不明の「肩こり」の原因には、自律神経のアンバランスさが関与しているともいわれています。
そんな現代社会において、乱れやすくないっている自律神経の安定効果もあります。
これらのお話は長くなるので、またの機会にさせていただきますね。
一つの良い効果が得られると、
他のサイクルへ影響をもたらし、
さらに良い効果を与えていく。
これが「整膚」の醍醐味だと思います。
その上、力を入れて押し付けないので、どんな部位にも対応できます。
押さえるのに細心の注意が必要な、喉や眼窩や腋窩、鼠径部などの繊細な部位にも施術が可能です。
年齢・性別・体格も問いません。
ですので赤ちゃんや妊婦さん、寝たきりのお年寄りまで安心して施術を受けていただけますよ。
自らの体に、つらい症状が出てきたら、まずは病院へ行かれると思います。
そこで診察を受け、原因が判明しずらく「しばらく様子をみましょう」と判断を受けた時、体にはつらい症状だけが残り、要因が分からないままだと心配ばかりが募ってくることでしょう。
そんな時は、ぜひ整膚を試していただきたいのです!
もしかしたら、今の辛さからの突破口が開けるかもしれません。
長い文章を、お読みいただいて、本当にありがとうございます!
次回は「整膚の効果」について、つらつらと書き連ねていこうと思っています(^^♪